つづく第三話
第2話から3,4年後、スバルレオーネ4WDに乗っていた時のこと。
私は自宅を出て間もなく片側1車線の道を直進していました。
左の小道からトラックが頭をのぞかせていたのですが、私はスピードを緩めず反対車線にはみ出すようにスルっとよけてそのまま直進しました。
100M程先の赤信号で止まっていると、カランと言う音と共にフロントガラスから ドロっとした液体が流れ落ちてきました。
そう言えば今、怒鳴り声のようなものも聞こえてきたな…。
その「ドロッ」が何だろうと思って見てみると、細かい茶葉であることが分かりました。
トラックの運転手が自分の左折を遮られた事に腹を立て、飲んでいた缶のお茶を私の車の屋根にぶちまけたのです。
「こんなくだらないことで怒る人がいるのか?」
まるで昔の誰かさんみたい…。
私は苦笑いしました。
ちょうどその時は供養の真っ最中でしたので「ああ、今回のテーマは怒りね」と思いました。
21日間の供養を始めると、だいたい中頃に様々な出来事が起きます。
そしてその時に関っている課題、テーマが見えてくるのです。
私はドアのロックを閉め、ワイパーを回しながら静かに鼻歌を歌ってやり過ごしまし た。
「少しは怒りのパワーを学ぶ事が出来たかな…」
もう不愉快な思いを引きずって、そのパワーに乗っ取られてしまう自分ではない。
私はこの時、自分が少しだけ成長したことを感じました。
おわり