達郎さんと言えば、ご本人ではなく周囲のスタッフにですね、事務所と言いレーベルと言い、奇妙な繋がりがあって不思議に思うのですが、その中でも特にバックコーラスをやっていた佐野公美さん(サノクと呼んでました)のこと。
彼女はコーラスの仕事を始める前にヤマハ・ファンクラブ機関紙の記事を書いていて、私はまだ10代でしたがそのファンクラブでアルバイトをしておりました。
私の担当はクリスタルキングで、大阪でファンクラブの集いがあったときに一緒に出張し、彼女が司会で私は裏方をやった思い出があります。
当時はプロのバンドを辞めたばかり、アマチュアバンドから再スタートの時でしたので、スタジオ代がかさみ常にお金が無くてね~。
まだ若かったし夢もありました。
みんなお金がないのは当たり前でしたから、お財布には玉しかない自慢とかね、ホラ、今日もこんなにないよって(笑)。
だからどうしたってくらい強気でしたし、それほど苦痛ではなかったけれど、お昼代を捻出できない日もありました。
そんな日は、近所の大鳥神社でブラブラと時間を潰したものです。
ある日、みんなでお弁当を買いに行こうということになってしまい、モジモジしつつ、正直にお金がないと白状したところサノクが、
じゃあ、私が払ってあげるよ!
なぁーんだ!って明るくあっさりと、奢ってくれたことがありました。
その優しさが嬉しくてね。
とっても有り難かった。
犬じゃないけど、ご恩は一生忘れません(笑)。
達郎さんと言えばサノク。
サノクと言えばノリ弁。
彼の歌を聞くたびに、毎回優しかったサノクとノリ弁をセットで思い出すのでした。