あるブログで村上春樹さんの本から抜粋された文章が目に止まりました。
地下鉄サリン事件の被害者をインタビューした本だそうですが、なかなか考えさせれれる文章です。
以下、抜粋
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あなたは誰か(何か)に対して自我の一定の部分を差し出し、その代価としての「物語」を受け取ってはいないだろうか?
私たちは何らかの制度=システムに対して、人格の一部を預けてしまってはいないだろうか?
もしそうだとしたら、その制度はいつかあなたに向かって何らかの「狂気」を要求しないだろうか?
あなたの「自律的パワープロセス」は正しい内的合意点に達しているだろうか?
あなたが今持っている物語は、本当にあなたの物語なのだろうか?
あなたの見ている夢は、本当にあなたの夢なのだろうか?
それはいつかとんでもない悪夢に転換していくかもしれない、誰か別の人間の夢ではないのか?
*村上春樹 「アンダーグラウン ド」目じるしのない悪夢 より
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自律的パワープロセスの内的合意点という表現は面白いですね。
それを意識している人もいるでしょうけれど、多くの人はそれについてよく考え始めますと内乱を起こしこれ以上は危険と感じてしまうので、表面意識で合意していることにして蓋をして閉じてしまうのではないでしょうか。
自分の内面を深く掘り下げる作業は確かにキツイです。
キツイから見ないようにして避ける。
なるべく後回しにする。
究極は自分と地球、宇宙との関わりについて、どう対面するか…ということになっていきますので、もう分からない、分からなくてもいいや…となるのです。
人は楽な生き方を好みます。
しかし、これからは嫌が応でも対面せざるを得ない状況に立たされるのではないかと思います。
その時に今まで見ないようにして避けてきたこと、結論を後回しにしてきたことが一気に浮上してくる。
ある意味変化のチャンスです。
次の世にどうやって生きていくか、よく見極めていくこと。
しかし、その目が曇っていたら見極めることは難しくなるでしょう。
心の目が曇っていないか
直感を信じられるか
次の時代の幕開けが、そろそろやって来そうです。