過去に囚われるということは、今に生きることを自ら阻止すること。
時間の流れを堰止め、先に進むことが出来なくなるのです。
たった今の"瞬間"に生きることで、人間は壮大な宇宙のエネルギーを受け取り、プラスの作用が起き始めます。
周りにシンクロ的な現象が起きてきて、不思議な運がめぐり、奇跡を呼ぶのです。
動物たちはカルマを持ちません。
彼らは瞬間に生きていて、いつ何をすべきか、本能で理解しています。
ある意味、私達よりもずっと進化しているとも言えます。
いや、彼らはずっと変わっていなく、私達が後退してしまったと言うべきでしょう。
ある人の実話があります。
若い頃よく痴漢に会い、ニュースで痴漢の話題を見ると、毎回激しい怒りをむき出しにしていました。
極刑にしてやれ!という怒りです。
テレビ画面の加害者は、自分が受けた痴漢の加害者ではないのに…。
ある時、彼女はある有名なチャネラーのリーディングを受けました。
たくさんの情報を得て、彼女は満足したようですが、その中で、過去世において性的な加害者だったことを知りました。
もちろん、チャネラーは彼女が痴漢に対して常に怒りを抱えているということは知りませんでした。
過去の罪を悔いるあまり、同じようなことをしている人間が許せないのです。
昨日の話にもありましたように、過去の出来事は彼女自身の人生ではありません。
意識の紐付けがあるということを、チャネラーが読み取ったのです。
ここを間違えて欲しくないのですが、私が言いたいことは、被害者は過去において似たような罪があるのだから、仕方がないということでは決してありません。
今世の罪は今世で償わなければならない。
しかし、別の視点、カルマの紐付けをたどって見ていきますと、ある時に加害者だったものは次の時代で被害者になり、被害者は加害者になり…時代を経て延々と繰り返しているということです。
つまり、両者には強い怒りと苦しみ、殺してやりたいという思い、自責と後悔の念、自分の人生を消してしまいたいという思いの一方で、
おまえを支配してやる!
という強い思いが重なり合い、場合によっては、何千年も繰り返しているということです。
時を越えた次元から見るならば、そのエネルギーの中に浸かって生きている、ひとつの集合体なのです。
その紐付けを変え、運命を劇的に好転させる方法は、過去のエネルギーとの絶縁です。
怒りと憎しみの紐付けを変えれば、過去とは無縁となれるのです。
そうしたエネルギーと無縁であるならば、過去や現在の現象を目にしても、感情的になることはありません。
一番根底にある感情は、
おまえを支配してやる!
という強い願望です。
悲しいかな、この原理を知る機会に例え巡り合ったとしても、当事者の多くは否定・拒絶するため、怒りや憎しみの輪から抜け出ることが出来ません。
相手を倒し頭を踏みつけ、支配したと自分が思えるまで、その感情を手放さないでしょう。
その隠された願望のために、その人の魂は、たった今の"瞬間"を生きることが出来ません。
何千年かかっても"過去のエネルギー"に引きずられます。
決して救われることなく、幸せにはなれないのです。